- いびきを簡単に止める方法はないの?
- 今すぐできるいびき対策を知りたい
いびきで医療機関を受診するのはハードルが高いと感じ、「まずは自分でできる対策を知りたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
いびきは、原因や状態によっては生活習慣の見直しやセルフケアによって軽減が期待できるケースもあります。
いびきへの対策を取り入れることで、睡眠環境の見直しにつながる可能性もあるため、本記事では自宅で取り組みやすいいびき対策についてわかりやすく解説します。

いびき・睡眠時無呼吸症候群の改善を支援する専門団体。医師や睡眠改善インストラクター等の専門家と連携し、エビデンスに基づいた最新の睡眠情報を発信。いびきに悩む方やその家族が、正しい知識で適切な対策を選択できるようサポートしています。
いびきを簡単に止める方法|今すぐできる対策

いびきは気道の狭窄によって起こり、睡眠中に吸い込んだ空気が狭くなった気道を通る際に粘膜が振動して発生する音です。
そのため、比較的軽度の狭窄であれば、ちょっとした工夫やセルフケアでいびきを改善できる可能性があります。
ここでは、今すぐできる、いびきを簡単に止める方法を4つ紹介します。どれも自宅で簡単に実践できる点でおすすめです。
横向き寝を意識する
いびきを簡単に止める方法として、横向き寝を意識することがおすすめです。舌は睡眠中に弛緩するため、重力の影響を強く受けて位置が移動し、それによって舌の後方に位置する気道も影響を受けます。
例えば、仰向け寝の場合は舌が弛緩すると後方に移動してしまうため、舌後方に位置する気道を最も狭窄しやすくなります。一方で横向き寝であれば舌は側方に、うつ伏せ寝の場合は舌は前方に移動するため、舌後方の気道の開通性は保たれやすく、いびきをかきにくくなる寝姿勢です。
実践する場合、うつ伏せ寝は寝苦しさを覚える方も多いため、まずは横向き寝を実践すると良いでしょう。最近では横向き寝を促すための抱き枕や横向き寝専用枕なども販売しているため、これらのアイテムを使用することでより安定して横向きを維持できます。
枕の高さや寝具を見直す
いびきを簡単に止める方法として、枕の高さや寝具を見直すことも重要です。枕の高さやマットレスの硬さによって睡眠中の首の角度が変わり、気道の狭窄やそれに伴ういびきの原因となるため、注意が必要です。
高すぎる枕や柔らかすぎるマットレスを使用すると、体幹が沈んで頭が高い位置にあるため、頚部が過剰に屈曲してしまいます。特に高さが7cm以上の枕はマットレスの硬さに関わらずリスクが高いため、購入は控えましょう。
逆に低すぎる枕や硬すぎるマットレスを使用すると、頭と体幹の高低差が少なく頚部が過剰に伸展してしまいます。どちらの場合も頸部の自然なカーブが失われ、気道が狭窄する原因となるため、注意が必要です。
鼻づまりを解消する
いびきを抑えるためには、鼻づまりへの対策も重要なポイントです。
鼻づまりは、いびきの原因の一つとされており、花粉症やアレルギー性鼻炎などによって鼻腔が狭くなると、空気の通り道が確保しにくくなります。その結果、空気が通過する際に粘膜が振動し、いびきにつながることがあります。
また、鼻づまりが強い場合は口呼吸になりやすく、吸気時に下顎が後方へ下がることで気道が狭くなり、いびきが出やすくなる傾向があります。
対策としては、入浴や蒸しタオルで鼻まわりを温めたり、市販の点鼻薬などを活用したりすることで、鼻づまりの軽減が期待できる場合があります。
なお、鼻中隔湾曲症や鼻茸など、物理的に鼻腔が高度に狭窄している場合はセルフケアでの改善は困難であるため、注意が必要です。
口閉じテープ・いびき防止グッズを使う
いびきを簡単に止める方法として、口閉じテープ・いびき防止グッズを使うことも検討しましょう。いびき防止グッズの代表格である口閉じテープは、その名の通り睡眠中に口が開くことを防止し、下顎の移動を抑制することでいびきの解消を目指す市販グッズです。
他にも、市販で購入できる鼻腔拡張テープは鼻の外から鼻腔を拡張させることで、特に鼻いびきの解消を目指せます。
これらの市販グッズはあくまで軽度のいびき向けであり、症状が重い場合は改善することが困難である点には注意が必要です。
また仮に症状が軽度あっても、口呼吸の方に鼻腔拡張テープを使用したり、鼻づまりの方に口閉じテープを使うなど、原因と対策が適切ではない場合は改善が見込めない点も注意が必要です。
生活習慣を整えていびきを減らす方法

いびきの発症には生活習慣も大きく関わっており、日々の生活習慣を整えることでいびきの改善を目指せます。
上記で紹介したようなセルフケアほどの即効性はないものの、徐々に効果が出るため、上記のようなセルフケアと並行して生活習慣を見直しましょう。
ここでは、生活習慣を整えていびきを減らす方法を4つ紹介します。
就寝前の飲酒を控える
いびきを減らすためにも、就寝前の飲酒はできるだけ控えましょう。お酒に含まれるアルコールには筋弛緩作用があるため、就寝前の飲酒は舌の弛緩を招き、舌後方の気道が舌によって狭窄することでいびきをかきやすくなります。
また、塩分の濃いおつまみや飲酒による水分摂取はむくみを引き起こしやすくするため、気道が狭くなる原因となります。
よく寝つきが良くなると考えて就寝前まで飲酒する方もいますが、「寝つきが良くなる=質が良い」というわけではなく、むしろアルコールは睡眠の質を著しく低下させることが知られているため、極力控えるべきです。
もしどうしても飲酒したい場合は、最低でも寝る3時間前までに飲み終えるように注意しましょう。
体重管理・肥満対策
いびきを減らすためにも、体重管理・肥満対策を徹底しましょう。いびきの最大の原因は肥満であり、首周りに蓄積した脂肪によって気道が圧迫されることでいびきをかきやすくなります。
特に肥満度を表すBMI(Body Mass Index:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25以上の方はいびきのリスクが高いことが知られているため、計算して25以上の方は注意が必要です。
また仮にBMIが25未満であったとしても首周りの太さが太い方はいびきをかきやすいため、やはり注意が必要です。
体重管理のためには定期的な運動習慣と、バランスの良い食生活が肝要であり、短期間で急激に行うとリバウンドリスクが高まるため、あまり過度な負荷はかけずに継続性を大切にしましょう。
喫煙習慣の見直し
喫煙習慣があり、いびきに悩んでいる方は、禁煙も検討したい対策の一つです。タバコにはニコチンやタール、一酸化炭素などさまざまな有害物質が含まれており、有害物質によって気道に炎症や浮腫が生じると狭窄を招いていびきの原因となります。
また、飲酒などと違って喫煙による気道へのダメージは蓄積性があるため、禁煙してもすぐに気道の炎症が改善するわけではなく、慢性的ないびきにつながるため注意が必要です。
また、タバコに含まれるニコチンは覚醒の閾値を低下させるため、呼吸が止まった際に起きる反射的な目覚めを障害し、無呼吸状態を長引かせます。
これらの要因は睡眠の質の低下にもつながるため、より良い睡眠のためにも禁煙を検討しましょう。
睡眠環境を整える(湿度・室温)
湿度・室温などの睡眠環境を整えることも、いびきの改善に有効です。
寒冷・乾燥した空気が気道に流入すると、気道が傷つきやすくなったり、気道本来の役割である異物の除去機能が障害されることで炎症が生じやすくなります。その結果、気道に浮腫が生じて狭窄しやすくなるため、いびきもかきやすくなります。
対策としては、加湿器やエアコンを使用して、吸い込む空気の温度・湿度を適正に保つことが肝要です。目安として、湿度は40~60%、温度:は冬であれば15〜20℃、夏であれば26℃前後が最適です。
過度の加湿・加温はダニやカビの発生リスクを高め、アレルギー性疾患の発症リスクが増大するため、あくまで適度な温度・湿度を保ちましょう。
簡単な対策でいびきが止まらない場合の対処法と治療の選択肢
いびきの程度や原因によっては、上記のようなセルフケアでもいびきの改善が得られない場合があります。その場合は自身でどんなに頑張っても改善は困難であるため、医療機関での治療が必要です。
ここでは、簡単な対策でいびきが止まらない場合の対処法と治療の選択肢を紹介します。
簡単な対策でいびきが止まらない場合に考えられる原因

まず、簡単な対策でいびきが止まらない場合には主に下記のような原因が考えられます。
- 体重増加・肥満による高度な気道狭窄
- 加齢や生活習慣の変化に伴う気道狭窄
- 鼻炎や風邪に伴う高度な鼻づまりやそれに伴う口呼吸
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
例えば軽度の肥満や一時的なアルコール多飲によるいびきなどであればセルフケアでも改善を目指せますが、高度な肥満や習慣的なアルコール多飲、加齢による気道構造そのものの変化などが原因の場合はセルフケアは困難です。
また、慢性副鼻腔炎や鼻茸の形成などによる鼻詰まりが原因の場合も、耳鼻科的な治療が必要となります。
他にも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を発症している場合は、CPAP療法や装具療法など専門的な治療が必要となるため、やはりセルフケアは困難です。
また、いびきの原因は、上記のような要因が複合的に重なって生じることが多い点でも注意が必要です。いびきの原因やそれに応じた対策については下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひこちらも参考にしてください。

いびきで受診を検討すべきサイン

「どれくらいのいびきなら病院を受診すべきなのかわからない」このような疑問をお持ちの方も少なくないでしょう
たかがいびきで、と放置してしまう方も少なくありませんが、重症のいびきは放置していると睡眠の質の低下やさまざまな健康被害を招くため、注意が必要です。
特に、下記のようなサインを認める方は医療機関への受診を検討しましょう。
- ここ最近いびきの音が顕著に大きくなっていると家族から指摘された
- 睡眠中に無呼吸の時間帯を認めると家族から指摘された
- 睡眠時間を確保して起床時から倦怠感を感じる
- 日中に耐えられない眠気を自覚している
- 仕事や学業に集中できない
- 運転中に居眠りしかけて事故を起こしかけた
上記のようなサインを認める場合、いびきの程度が重く、十分な酸素を脳に供給できていない状態である可能性が高いため、早急に医療機関を受診すべきです。
医療機関での検査(耳鼻科・睡眠外来)
では、実際に医療機関を受診した場合、どのような検査を行うのでしょうか。
いびきの原因を精査するためには耳鼻科や睡眠外来への受診が好ましく、いびきの原因となる気道狭窄の原因を問診や身体診察、画像検査の所見などから総合的に評価します。
それに加えて、いびきの程度や無呼吸の頻度を下記の2つの検査で評価します。
- 簡易検査:自宅で簡易的に無呼吸の有無を検査する方法
- 精密検査(PSG検査):医療機関に一泊入院して脳波測定も含めた精密な検査を行う方法
通常はまず簡易検査を行い、睡眠1時間あたりの低呼吸や無呼吸の頻度(AHI:Apnea Hypopnea Index)が高いと評価された場合は精密な診断のためにPSG検査へ移行するのが一般的です。
その後PSG検査を行なって計測されたAHIによって重症度が判定され、重症度や原因に応じて適切な治療方針が決まるため、早めの受診が重要です。
マウスピース・CPAPなどの治療法

重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群の診断を受けた場合、その重症度や原因によって下記のような治療法があります。(参照:「睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドライン2020」)
- 減量療法:BMI25以上の肥満を伴う睡眠時無呼吸症候群の方に強く推奨される
- 体位療法:軽症の睡眠時無呼吸症候群でCPAP療法など継続困難な場合に検討する
- マウスピース療法:CPAP療法が適応とならない軽度〜中等度のいびきに推奨される
- CPAP療法:中等度〜重度の睡眠時無呼吸症候群における治療の第一選択
上記以外にも、骨格的に顎が小さくいびきをかきやすい方に対する外科的手術、耳鼻科疾患による鼻いびきに対する耳鼻科手術など、治療の選択肢は原因によってもさまざまです。
患者さんの状態によって選ぶべき治療法は異なるため、必ず医師と相談の上で治療方針を決定しましょう。
レーザー治療という選択肢

上記で紹介した方法以外にも、近年では新しいいびきの治療法としてレーザー治療という選択肢もあります。
レーザー治療とはレーザーで喉の粘膜を引き締め、いびきの振動を抑える治療法です。いびきは呼吸によって気道を通過する空気が粘膜を振動させることで生じる振動音であるため、粘膜を引き締めることで症状の緩和を目指せます。
レーザーであれば身体をメスで切らずに行える低侵襲な治療であるため、日常生活への影響が少ない点もメリットです。
一方で、1回照射すれば必ず効果が得られるというわけではなく、効果を得るためには複数回の施術が必要な場合があり、効果にも個人差がある点には注意が必要です。

いびきを改善した体験談と事例
いびきの原因や改善方法、治療中の経過は人によって個人差があります。
いろんな方の治療の体験談を知ることは自身やご家族のいびき改善にも大変役立つため、ここではいびきを改善した体験談と事例を3つ紹介します。
30代男性|飲酒習慣と生活リズムの乱れが原因だったケース
30代男性のAさんは会社員として日々多忙に生活しており、特にここ最近は多忙を極めていました。そのストレスもあって夜遅くまで家で晩酌するのがルーティンとなっていたそうですが、その時期から妻からいびきをよく指摘されるようになったそうです。
特に深酒した夜はいびきがうるさく、時折無呼吸も認めていたため、妻から心配されたことをきっかけに改善しようと決意したそうです。
以前までは日本酒を1日3合ほど、就寝ギリギリまで飲んでいたそうですが、思い切って禁酒し、いびきの改善に良いと聞いた横向き寝を実践したところ、生活習慣の改善から2週間ほどで、完全ではないもののいびきの軽減に成功しました。
仕事で多忙であったことから医療機関への受診は難しいと考えていたため、生活習慣の改善などセルフケアで改善できてよかったと実感できたそうです。いびき以外にも日中の集中力も改善したため、これを機に今の生活習慣を継続しようと実感したそうです。
40代女性|鼻づまりと更年期が影響していたケース
40代のBさんはこれまで特に大きな病気もなく、食事や運動にも気を遣い健康的な日々を過ごしている女性です。しかし、数日前に風邪を引いて鼻づまりが目立つようになってから、ひどいいびきをかくようになったと家族に指摘され、これまで自覚のなかったいびきを自覚したそうです。
健康的だったからこそ、当初は治療する気になれなかったそうですが、子供からいびきがうるさく眠れないと言われたことで治療したいと決心しました。
医療機関を受診したところ、鼻炎による鼻づまりも原因であるが、それとともに40代に入って女性ホルモンの変動によるいびきも併発している可能性を指摘されました。
対策としては、鼻づまり対策で点鼻薬を処方され、あとは即効性のあるセルフケアとして寝具を見直すよう指導されたそうです。
実践したところ、症状は徐々に改善し、同時にいびきの音量も改善していったそうです。自身の睡眠はもちろん、子どもや家族の睡眠を守るためにも早期に治療してよかったと実感したそうです。
50代男性|セルフ対策で改善せず治療に進んだケース
Cさんは以前からの不摂生や運動不足によって急速に体重が増加し、肥満とそれに伴ういびきに長年悩んでいる男性です。
特に50代に入ってからは無呼吸の頻度が増え、日中に居眠りしている姿を見て家族は不安を覚えていたそうです。家族から強く言われて以前からできる限りのセルフ対策(横向き寝・枕調整・口閉じテープなど)は実践していたそうですが、どの方法でも十分な改善は得られなかったそうです。
ある日、日中に居眠り運転をしそうになったことをきっかけに、医療機関を受診したところ、PSG検査で重症の睡眠時無呼吸症候群であることが発覚しました。
マウスピース・CPAPなどさまざまな治療法を提示されましたが、 治療にかかる期間や通院の頻度、CPAP機器のメンテナンスなど考慮した結果、最も日常生活に与える影響が少なく、かつ低侵襲に治療できるレーザー治療を選びました。
実際に受けてみると痛みやダウンタイムなどほとんどなく、合計5回の施術でいびきがある程度軽減したそうです。家族の不安も軽減したため、レーザー治療を受けてよかったと実感できたそうです。
【まとめ】いびきは簡単な対策から|改善しない場合は早めの対処を
この記事ではいびきに対する簡単な対策や、セルフケアでも改善しない場合の対処法を紹介しました。
いびきは原因や程度によっては、セルフケアでも改善しやすいことがあります。
特に、生活習慣の見直しやダイエットは有効な対策であり、医療機関での検査や治療を受けなくても改善が期待できる場合も少なくありません。いびきに悩んでいる方は、まず取り入れたい基本的な対策です。
一方で、無呼吸や日中の強い眠気などを伴う重度のいびきの場合、セルフケアだけでの改善は難しくなります。睡眠の質の低下による健康リスクを防ぐためにも、早めに医療機関を受診することが重要です。
いびきの治療には、CPAPやマウスピース療法などさまざまな方法があります。近年は、身体への負担を抑えながら改善を目指せるレーザー治療も広がっているので、治療の選択肢の一つとして検討してみるといいでしょう。


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