男性のいびきの治し方|今すぐできる対策と治療の選択肢

  • 家族からいびきを指摘されていて治したい
  • 男性のいびきの治し方を知りたい

このようなお悩みをお持ちの男性も少なくないでしょう。

男性は加齢に伴う肥満や飲酒習慣によっていびきをかきやすくなり、放置すれば睡眠の質の低下によって学業や仕事に大きな支障をきたします。

また、自身の生活のみならず、家族の睡眠の質や健康を害する可能性もあるため、早期に治療すべき症状です。

そこでこの記事では、男性のタイプ別のいびきの治し方や今すぐできる対策、その他の治療の選択肢など詳しく解説します。この記事を読むことで、自分や家族の睡眠改善に役立つため、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者
dr-honda

本多 洋介 医師

2009年に群馬大学医学部医学科を卒業以降、関東圏の循環器病院で勤務。現在は、横浜市神奈川区にある「Myクリニック本多内科医院」の院長を務める。担当は内科・循環器内科。いびき、睡眠時無呼吸症候群のプロとして日々臨床に取り組む。累計、300人以上のいびき、睡眠時無呼吸症候群の患者を担当。

一般社団法人 いびき無呼吸改善協会

目次

男性のいびきの治し方|今すぐできる対策

男女関わらず、日々の生活習慣はいびきの発症に大きく関わりますが、特に男性の場合は飲酒量が多かったり、喫煙者の割合が多く、いびきをかきやすいです。

逆に言えば、生活習慣を改善させることでいびきの改善を目指せます。ここでは、男性のいびきの治し方、特にセルフケアでの対策を4つ紹介します。

なお、男性のいびきの原因や年代別の傾向について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

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横向き寝を意識する

男性のいびきに対して今すぐできる対策として、横向き寝を意識することが挙げられます。睡眠中の寝姿勢はいびきの発症にとって非常に重要であり、特に仰向けでは舌が後方の気道に落ち込みやすく、いびきをかきやすいため注意が必要です。

また、中高年の男性では加齢に伴い舌に脂肪が沈着して肥大するため、仰向けで寝ることによるいびきのリスクが増大します。

一方で、横向きで寝る場合は舌が側方に移動するため、後方の気道に対しての影響は少なく、仰向けで生じていたいびきが改善する可能性があります。つい仰向けに戻ってしまうという方は、抱き枕やクッションを使って工夫して寝姿勢を横向きに保ちましょう。

就寝前の飲酒量を減らす

男性のいびきに対して今すぐできる対策として、就寝前の飲酒量を減らすことも重要です。特に男性の場合、付き合いで晩酌や深酒をしてしまったり、眠るための寝酒として飲酒してしまう方も少なくないでしょう。

しかし、お酒に含まれるアルコールには筋弛緩作用があり、たくさんの飲酒をしてしまうと、睡眠中に喉の筋肉がゆるみ、気道が狭くなりやすくなります。

また、アルコールの代謝産物である「アセトアルデヒド」には中枢神経の覚醒作用があることが知られており、中途覚醒が増えることも知られています。

以上の2つの理由から、いびきや睡眠の質低下の原因となるため、寝酒や深酒は控えるべきであり、特に就寝直前まで飲酒すると影響を受けやすいため、注意が必要です。

体重管理を見直す

男性のいびきに対して今すぐできる対策として、体重管理を見直すことも重要です。肥満はいびきの最大の原因であり、肥満によって首回りに脂肪が多く沈着すると、気道が脂肪によって圧迫されていびきをかく原因となります。

特に、肥満度を示す指数であるBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25以上の方の場合、いびきや睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが高まることが知られているため、ダイエットが必要です。

また、腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上の場合、「メタボリックシンドローム」が疑われる基準であり、気道狭窄やいびき、無呼吸のリスクが高まることが知られています。

断食など、急激なダイエットは継続できずにリバウンドしやすいため、あくまで継続的な体重管理を行うようにしましょう。

鼻づまり・喫煙習慣を見直す

男性のいびきに対して今すぐできる対策として、鼻づまり・喫煙習慣を見直すことも重要です。アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎など、鼻づまりの原因となるような耳鼻科疾患を発症している場合、鼻での呼吸では苦しく、口呼吸がメインとなります。

口呼吸では乾燥した空気が直接気道に流入するため、気道に炎症が生じて狭くなりやすくなり、いびきの原因となるため、注意が必要です。

また、タバコに含まれる有害物質は気道に炎症をもたらし、炎症によって浮腫が生じることで気道が狭くなるため、いびきの原因となります。

もし当てはまっている男性の方は、加湿や禁煙などを行い、気道の保護に努めることでいびきを改善できる可能性があるため、試してみると良いでしょう。

【タイプ別】男性のいびきの対処法

男性のいびきの対処法は、どのような原因やタイプのいびきかによっても異なります。そこで、ここでは5つのタイプに分けて男性のいびきの対処法を解説します。

なお、医療機関での専門的な治療とは異なるため、あくまで症状が強い場合や改善が見られない場合は、自己判断だけでなく専門医への相談も検討しましょう。

「肥満・メタボ」タイプ

男性のいびきで最も多いタイプの1つが「肥満・メタボ」タイプであり、このタイプの方の最適な治し方は継続的な運動習慣や食習慣の改善です。

先述したように、体重増加によって首周りに脂肪が蓄積すると、気道が脂肪によって圧迫されるため、いびきの原因となります。 

また、腹部の内臓脂肪は睡眠中に胸部を下から上に圧迫し、その結果、気道が圧迫されることでいびきをかきやすくなるため、注意が必要です。

この状態が長く続くと、体は低酸素状態に陥り、そのストレスで交感神経が持続的に活性化され、高血圧や糖尿病など生活習慣病を罹患しやすくなります。

さらに、これらの疾患は肥満の原因となるため、負のスパイラルに陥ります。無呼吸やいびきを改善させるためにも、運動や食事に注意し、メタボや肥満を解消するよう意識しましょう。

「飲酒習慣」タイプ

「飲酒習慣」タイプの男性は、繰り返す深酒、寝酒によって舌根沈下を引き起こし、いびきをかきやすくなるため注意が必要です。

特に、寝る2〜3時間前まで飲酒したり、長時間大量のアルコールを摂取した場合、体内に残ったアルコールによる筋弛緩作用の影響を強く受け、舌根沈下によるいびき・無呼吸が生じやすくなります。

他にも、アルコールには下記のような作用で睡眠に悪影響を及ぼすことが知られています。

  • 代謝産物アセトアルデヒドの影響で中途覚醒が生じやすい
  • 過剰な水分摂取やアルコールの利尿作用によって、トイレに行きたくなり起きてしまう

これらの作用によって睡眠の質は著しく低下し、いびきや無呼吸以外にも日中の眠気や集中力の低下など、さまざまな悪影響を及ぼすため、注意が必要です。

できれば禁酒、難しい方は1日の飲酒量をビールなら中瓶1本、日本酒なら1合程度に控え、就寝の3〜4時間前には飲み終えるように意識しましょう。

「鼻炎・喫煙習慣」タイプ

「鼻炎・喫煙習慣」タイプの男性の場合、鼻腔や気道の通りを改善することが重要であり、鼻うがいや加湿、市販グッズの使用、禁煙などがおすすめです。

鼻づまりによって口呼吸が増加すると、乾燥した空気が気道に流入し、炎症を引き起こすことでいびきをかきやすくなります。

そこで、鼻うがいや市販の鼻腔拡張テープなど使用することで鼻腔の拡張が期待でき、いびきの改善が期待できます。

また、加湿器を使用して寝室の湿度を40〜60%程度に加湿することで、気道の乾燥やそれに伴う炎症を予防できるため、いびき対策としておすすめです。

また、喫煙も気道の炎症を招くため、可能であれば禁煙を勧めますが、いきなり禁煙が難しい方はまずは本数を減らすことから始めましょう。

「仕事の疲労・ストレス」タイプ

「仕事の疲労・ストレス」タイプの男性の場合、身体の疲れを取るために睡眠中に全身の筋肉が弛緩するため、舌根沈下によるいびきをかきやすくなります。

また、仕事の過労や睡眠不足は自律神経の乱れを招き、自律神経は睡眠のリズムも司っているため、睡眠のリズムも乱れてしまいます。

いびきや睡眠の乱れによって睡眠時間や質が低下し、慢性的な疲れや日中眠い症状を招くため、さらに疲労やストレスが溜まって負のスパイラルに陥る可能性があり、注意が必要です。

まずは睡眠時間を確保し、できる限り睡眠の質を向上できるようにストレスを発散すると良いでしょう。ストレスの発散方法には個人差もありますが、ヨガや運動、ストレッチ、読書、映画鑑賞、アロマなどがおすすめです。

「日中の眠気・無呼吸リスク」タイプ

「日中の眠気・無呼吸リスク」タイプの男性の場合、専門外来での検査を検討しても良いでしょう。

このタイプの方は、よく家族に「呼吸が止まっている」と指摘され、無呼吸による低酸素状態によって十分な休息が得られず、朝の頭痛や日中の眠気、熟睡感の喪失など、さまざまな症状をきたします。

また、低酸素によるストレスによって高血圧やメタボになりやすくなり、これらをすでに合併している場合は睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性が高いです。

睡眠時無呼吸症候群は軽症であれば上記のようなセルフケアでも改善を目指せますが、中等度以上の場合はセルフケアでの改善は難しいケースも多いため、早期改善のためにもまずは医療機関で詳しく検査することをお勧めします。

自力で改善しない場合の選択肢

生活習慣を見直しても改善しない場合、次のステップとして医療機関での治療を検討すべきです。

また、肥満や高血圧の併発、もしくは日中の強い眠気などの症状を認める場合、睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性が高く、検査を行うことが重要です。

自力で改善しない場合の選択肢として、下記の4つが挙げられます。

なお、各治療にはそれぞれ適応や合併症もあるため、必ず医師の診断のもとで選択するようにしましょう。

耳鼻科・睡眠外来での検査

いびきを自力で改善できない男性は、まずは耳鼻科・睡眠外来での検査を優先しましょう。いびきはさまざまな原因で発症し、原因によって選択すべき治療法も異なるため、まずは原因を解明することが重要です。

主な検査としては睡眠中の呼吸状態を評価する簡易検査とPSG(終夜睡眠ポリグラフ)精密検査が挙げられ、前者では自宅で簡易的に検査しますが、後者では病院に1泊入院し、呼吸状態とともに脳波・筋電図なども測定して睡眠の深さや質も評価します。

この検査の特に重要な点は、AHI(Apnea Hypopnea Index:1時間あたりの低呼吸や無呼吸の頻度)を測定し、睡眠時無呼吸症候群の有無や重症度の判定に使用できることです。

高血圧や糖尿病がある人は、特に睡眠時無呼吸症候群を発症している可能性が高いため、これらの検査の必要性は高く、早期の受診を勧めます。

マウスピース治療

いびきを自力で改善できない男性は、マウスピース治療も選択肢の1つです。

マウスピース治療とは、自身の歯列や骨格に合わせて作製したマウスピースを装着し、下顎を前方に固定することで後方の気道の開通性を向上させる治療法です。

睡眠時無呼吸症候群の診療ガイドラインでも、軽症〜中等症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者に対して推奨されています。

一方で、市販のマウスピースで治療する場合、値段は安価ですが、自身の歯列や骨格に合わせて作られていないため、歯の損傷や顎の痛みなど、さまざまな合併症を招く可能性があるため、注意が必要です。必ず、医科や歯科の指導のもとで作製したマウスピースでの治療を心がけましょう。

CPAP(シーパップ)治療

いびきを自力で改善できない男性は、CPAP(シーパップ)治療も選択肢の1つです。CPAPとは、Continuous Positive Airway Pressureの略で日本語で「持続陽圧呼吸療法」のことを指します。

その名の通り、特殊なマスクを装着して持続的に気道に空気を送り込むことで、気道が狭くなることを防ぎ、いびきや無呼吸の改善を目指す治療法です。

特に中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の治療として第一選択であり、日中の眠気や集中力の低下など認める方にとって有効な治療法です。

一方で、装着の違和感や着脱の手間、持ち運びの面倒さなど、デメリットもあり、人によっては継続が困難になる方も少なくありません。

レーザー治療

いびきを自力で改善できない男性は、多くの場合保険適応ではありませんが、近年ではレーザー治療も新たな選択肢の1つです。

レーザー治療では、いびきの原因となる構造物(口蓋垂や軟口蓋など)の粘膜にレーザーを照射し、それらの組織を萎縮させることで口腔内のスペースを広げ、いびきの改善を目指します。

他の治療とは異なり、治療にかける手間や時間は短く、侵襲度も低いため、治療後の日常生活への復帰も早いです。

一方で、どんないびきにも有効かというとそうではなく、いびきの原因や程度によっては思ったような効果が得られない可能性もあるため、必ず治療の適応については医師に相談しましょう。

【まとめ】男性のいびきは生活改善と適切な治療選択を

この記事では、男性のいびきのタイプ別治し方やセルフケアでの対策、そのほかの治療法を紹介しました。

男性の場合、飲酒や肥満によっていびきをかく方が多く、食習慣の改善やダイエット、飲酒方法の見直しなどによっていびきを改善できる可能性が高いです。

セルフケアでも改善が困難な場合は、いびきの原因に合わせた適切な治療を選択する必要があるため、医療機関でまずは原因を特定するために検査を受けましょう。

また、この記事を読まれている男性の中には、治療や通院に割く時間がないとお悩みの方も少なくないでしょう。

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