【年代別】男性のいびきの原因は?かきやすい人の特徴・体型を解説

  • いびきがうるさいと言われて恥ずかしい
  • 旦那や彼氏のいびきがうるさくて同じ寝室で寝れない

上記のような悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

特に男性は首周りに脂肪がつきやすいため、女性よりもいびきをかきやすいことが知られています。

本人の睡眠の質の低下や健康被害もある上に、パートナーや家族の睡眠まで妨害してしまうため、早期発見・早期治療が重要です。

本記事では、男性のいびきの原因を年代別に解説します。この記事を読むことで、いびきの原因や危険性を把握することができ、改善への第一歩になるでしょう。

この記事の監修者
dr-honda

本多 洋介 医師

2009年に群馬大学医学部医学科を卒業以降、関東圏の循環器病院で勤務。現在は、Myクリニック本多内科医院の院長を務める。担当は内科・循環器内科。いびき、睡眠時無呼吸症候群のプロとして日々臨床に取り組む。累計、300人以上のいびき、睡眠時無呼吸症候群の患者を担当。

一般社団法人 いびき無呼吸改善協会

目次

【年代別】男性がいびきをかく原因とは?

呼吸する際の空気の通りである気道が狭くなると、空気が気道の粘膜を振動させるため、いびきが音として出現します。

特に睡眠中は気道が狭くなりやすく、また男性の場合は女性と比べて首周りに脂肪がつきやすいため、よりいびきをかきやすいです。

しかし、首周りの脂肪以外にもさまざまな原因でいびきをかき、また年齢によってもいびきの原因は異なるため、ここではいびきの原因を年代別に解説します。

20代男性

20代男性がいびきをかく主な原因として、暴飲暴食などの乱れた食習慣が挙げられます。

就寝前に過剰な塩分を摂取すると気道や舌が浮腫みやすくなり、舌後方に位置する気道が狭窄しやすくなるためです。

夜遅くのラーメンやスナック菓子の摂取など、特に若い方の好む食事は塩分が多く含まれるため、少なくとも就寝直前の摂取は控えるべきです。

また、アルコールには血管透過性を亢進させる作用があり、塩分と共に摂取するとさらに浮腫が起こりやすくなるため、深夜までの暴飲暴食はいびきを引き起こしやすくなります。

特に20代の方は肥満の割合は中高年と比較して少なく、肥満よりもこれらの生活習慣が原因となることが多いため、摂取する食事の内容や時間帯には十分注意する必要があります。(参考文献:公益財団法人 生命保険文化センター

30代男性

30代男性がいびきをかく主な原因は、仕事の疲れやストレスです。

働き盛りの30代男性は身体的にも精神的にも仕事で疲弊しやすく、これらの疲労を回復させようと睡眠中に全身の筋肉が普段よりもさらに弛緩するため、舌や気道周囲の筋肉も弛緩します。

気道周囲の筋肉が弛緩すると、周囲の脂肪による圧排を受けやすくなり、また舌も後方に移動してしまうため、気道が狭くなっていびきをかきます。

また、疲れた脳は多くの酸素を求めるため、口呼吸が起こりやすくなり、口呼吸によって下顎が下がるとやはり舌が後方に移動するため、気道が狭くなりいびきをかきやすくなるのです。

仕事に伴う疲れを自覚している方は、ストレス発散やリフレッシュの時間を作ると良いでしょう。

40代男性

40代男性がいびきをかく主な原因は、喫煙です。

厚生労働省が令和5年に実施した国民健康・栄養調査によれば、喫煙習慣を持つ男性の割合は20代で20.6%、30代で29.9%、40代で33.4%、50代で31.5%と、全年代で40代が最多でした。(参考文献:厚生労働省

タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素、タールなどのさまざまな有害物質は気道に局所的な炎症を引き起こし、浮腫が生じやすくなることで気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

また、鼻腔に炎症が波及すれば鼻詰まりの原因となり、睡眠中の口呼吸が増えて気道が狭くなるため、やはりいびきをかきやすくなります。

喫煙はいびき以外にも、脳血管障害や心筋梗塞など重篤な疾患の原因となるため、できる限り控えるべきです。

50代男性

50代男性がいびきをかく主な原因は、肥満です。

厚生労働省が令和5年に実施した国民健康・栄養調査によれば、肥満度を示すBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25以上の方の割合が最も多い年代は50代で34.8%でした。(参考文献:厚生労働省

肥満はいびきの最大の原因であり、首周りの脂肪が増えることで気道が圧排され、狭くなることでいびきをかきやすくなります。

BMI25以上の肥満の方は特にいびきのリスクが高まり、BMIが上がれば上がるほど、いびきのリスクも高まることが知られています。

加齢に伴い筋肉量が減少すると代謝が低下し、これまでと同じカロリー摂取でも太りやすくなるため、いびきの改善のためにも日々の摂取カロリーには注意し、定期的な運動習慣を身に付けると良いでしょう。

男性が急にいびきをかくようになったのはなぜ?原因・仕組みとは?

男性が急にいびきをかくようになった場合、何らかの耳鼻科疾患、もしくは頭の中の病気を発症している可能性が高いです。

上記で示した肥満や喫煙などの原因と違い、耳鼻科疾患を発症すると、これまでの上気道の構造が急激に変化してしまうため、急ないびきの発症の原因となります。

扁桃肥大・アデノイド肥大・鼻茸・副鼻腔炎・悪性腫瘍などの発症によって、気道が直接的に狭くなる、もしくは口呼吸が増えることでいびきが増加します。

特に、悪性腫瘍は発見が遅れれば生命予後を脅かす可能性もある疾患であるため、男性が急にいびきをかくようになった場合は早期に精査することを勧めます。

また、脳卒中によって舌に麻痺が生じると、舌根沈下によって後方の気道を狭窄させていびきを引き起こす可能性があり、これもまた緊急性の高い疾患であるため、注意が必要です。

男性でいびきをかきやすい人の特徴・体型とは?

男性でいびきをかきやすい人の特徴や体型は下記の通りです。

それぞれについて詳しく解説します。

首が太く短い

首が太く短い男性はイビキをかきやすいため、注意が必要です。

気道そのものの太さや長さにはそこまで個人差はありませんが、見た目上首が太く短い方の場合、それだけ気道周囲の筋肉や脂肪が分厚く、これらの重さで気道が圧排されやすい状態のため、いびきをかきやすいです。

日本人の成人男性における一般的な首周りの長さは37〜39cm程度、首の長さは10cm程度の方が多く、首周りの長さが40cm以上の場合や長さが9cm未満の場合はリスクが高いため、気になる方は実際に採寸することをお勧めします。

なお、アジア人は顔面が上下方向に長く、奥行きが狭いため、首が細長くても欧米人と比較していびきをかきやすい民族であることも知っておきましょう。

舌が大きい

舌が大きい男性もいびきをかきやすいため、注意が必要です。

気道は舌の根元の後方に広がっており、睡眠中は舌の筋肉が弛緩することで後方に落ち込んでしまう(舌根沈下する)ため、いびきをかきやすくなります。

そのため、舌が大きい方は特にいびきをかきやすく、男性は女性よりも舌が長い傾向にあるため、よりいびきをかきやすいと言えます。

また、弛緩した舌は重力に伴って移動するため、横向きで寝る場合よりも仰向けの方が舌根沈下しやすく、注意が必要です。

飲酒や喫煙が多い

習慣的に飲酒や喫煙をする男性もいびきをかきやすいため、注意が必要です。

先述したように飲酒・喫煙はともに上気道における浮腫を引き起こすため、気道が狭くなっていびきをかきやすくなります。

厚生労働省が令和5年に実施した国民健康・栄養調査によれば、習慣的に喫煙する人の割合は男性で25.6%、女性で6.9%、生活習慣病のリスクを高める量の飲酒をする人の割合は男性で14.1%、女性で9.5%と、どちらも男性が有意に多い結果でした。(参考文献:厚生労働省

また、飲酒や喫煙は睡眠の質も低下させることが知られており、それによって脳や身体に負担が掛かれば、より睡眠中にいびきをかきやすくなる、負のスパイラルに陥ってしまうため、注意が必要です。

より良い睡眠やいびき改善のためにも、飲酒や喫煙は控えることを勧めます。

男性のいびきに関してよくある質問

いびきについて調べている男性の中には、基本的な疑問が思い浮かんでも解決できていない人も多いのではないでしょうか。

ここでは、男性のいびきに関してよくある質問を3つ紹介し、それぞれについて詳しく回答していきます。疑問を解消して、自身のいびき改善に役立てましょう。

男性でいびきをかく人の割合はどれくらい?

とある研究結果では、男性でいびきをかく人の割合は約24%(約4人に1人)とされています。

この研究では、2000年から2005年にかけて、日本の3つの地域に住む35~79歳の男性3,138名と女性5,345名を対象に、いびきの頻度と心血管の健康に関するデータを調査しており、その結果、男性の約24%、女性では約10%にいびきを認めています。

また、女性に対して男性が多い原因としては、男性の方が首周りに脂肪がつきやすいことが主ですが、それ以外にも飲酒喫煙率が高いこと、舌が大きいこと、気道が長いことなどが挙げられます。

同研究では、ほかにも飲酒・喫煙といびきの関係も評価しており、BMI25未満の群とBMI25以上の群で比較すると、BMI25未満の群の方が飲酒・喫煙といびきに強い正の相関関係を認めており、肥満を認めない人では飲酒や喫煙は特に注意が必要です。(参考文献:PubMed

いびきは病気のサイン?

いびきは何らかの病気のサインである可能性があります。

いびきをかいている状態は気道が狭い状態にあり、その背景には肥満や飲酒・喫煙以外にも病気が隠れている可能性があるためです。

リスクの低い病気であれば扁桃肥大やアデノイド肥大、副鼻腔炎などの耳鼻咽喉科疾患が挙げられますが、特に注意が必要な病気としては睡眠時無呼吸症候群や脳卒中が挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群は気道狭窄によって睡眠中に低酸素状態に陥り、睡眠の質の低下や、長期的にはさまざまな合併症を招く怖い病気です。

また、いびきをかいていて意識障害などの神経症状を認めた場合は、脳卒中の可能性もあります。どちらも放置すれば命に関わる可能性のある病気であるため、いびきを認める場合はこれらの病気の可能性も疑うようにしましょう。

いびきはよく眠っている証拠?

いびきはよく眠っている証拠ではなく、むしろ睡眠の質が低下する可能性の高い状態です。

いびきをかいているということは、それだけ睡眠中に酸素の取り込みが困難であることを意味しており、身体や脳は持続的に低酸素状態に晒されています。

また、寝苦しさや自身のいびきの音によって中途覚醒も増加するため、むしろ睡眠の質は大幅に低下することが知られており、注意が必要です。

いびき状態が遷延すれば、例え睡眠時間を確保しても十分な心身の回復は得られず、日中に強い眠気に襲われて仕事や学業に支障をきたす可能性もあるため、いびきを自覚している方は早急に対策するべきでしょう。

【まとめ】男性のいびきを放置すると重大な病気に繋がる恐れも!早期対策が重要

今回の記事では、男性のいびきの原因や男性でいびきをかきやすい人の特徴などについて詳しく解説しました。

男性の約4人に1人にいびきを認め、特に肥満や飲酒・喫煙などの要因でいびきをかきやすいです。一見、いびきをかいて寝ている人は熟睡できているようにも見えますが、実は睡眠の質が低下することが知られており、また何らかの病気を発症している可能性もあるため、早期に対策が必要です。

さらに、いびき状態が続くと持続的な低酸素状態によるストレスによって交感神経が活性化してしまい、長期的には高血圧や糖尿病、心房細動や脳血管障害などの発症リスクを増大させることが知られています。(参考文献:J-STAGE

これらの病気は命に関わる可能性もある病気のため、早期対策が非常に重要であり、そのためには自身のいびきがどれくらい危険な状態なのか知っておく必要があります。

下記の記事では、いびきの危険度を簡単にセルフチェックする方法を紹介しているため、こちらもぜひご一読ください。

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