CPAPを使用してもいびきが治らない原因は?改善策・他の治療法を解説

  • CPAPを使用してもいびきが治らない
  • CPAPを使用しても治らないいびきの原因や改善方法は?

このような疑問や悩みをお持ちの方も少なくないでしょう。

CPAPはいびきに対する最も効果的な治療法の1つですが、使用法が不適切であったり、いびきの原因によっては十分な効果が得られず、いびきを改善することができません。

この記事では、CPAPを使用してもいびきが治らない原因やその場合の改善策・治療法を詳しく紹介します。この記事を読むことで、CPAPを使用しても治らないいびきの改善と、心地よい睡眠を目指せるため、ぜひご一読ください。

この記事の監修者
dr-honda

本多 洋介 医師

2009年に群馬大学医学部医学科を卒業以降、関東圏の循環器病院で勤務。現在は、横浜市神奈川区にある「Myクリニック本多内科医院」の院長を務める。担当は内科・循環器内科。いびき、睡眠時無呼吸症候群のプロとして日々臨床に取り組む。累計、300人以上のいびき、睡眠時無呼吸症候群の患者を担当。

一般社団法人 いびき無呼吸改善協会

目次

CPAPを使用してもいびきが治らない原因は?

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure :持続陽圧呼吸療法)とは、睡眠中に特殊なマスクを装着し、気道に持続的に空気を送り込み陽圧をかけることで、気道の閉塞とそれに伴ういびきの解消を目指す治療法のことです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020では、日中の眠気などの臨床症状が強い症例や中〜重症例においてはCPAPを治療の第一選択に位置付けており、エビデンスレベルはA(効果の推定値には強く確信がある)としています。(参照:「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」

一方で、下記のような場合はCPAPを使用してもいびきが治らない可能性があります。

それぞれについて解説します。

マスクが正しくフィットしていない

CPAPを使用してもいびきが治らない原因として、マスクが正しくフィットしていない可能性があるため、注意が必要です。

CPAP治療では、気道に陽圧をかけて気道の開存性を向上させることで効果を得るため、マスクがフィットしていないと空気漏れして陽圧がかからず、いかにマスクがフィットしているかが重要です。

しかし、CPAPに用いられるマスクは個々の骨格に合わせて作られたものではなく、いくつかのサイズや形状に分かれて用意されているため、場合によってはフィットせず、空気漏れしてしまうことでうまく陽圧をかけることができなくなります。

またサイズが合っていたとしても、装着方法が不適切であったり、部品の摩耗によってフィット感が悪化していく可能性もあるため、注意が必要です。空気漏れを防ぐためには、マスクの表面が額に均等に当たるようにして、マスクやヘッドギアと顔との間に指1本程度が入るきつさにヘッドギアを締めることが重要です。

CPAPの圧力設定が合っていない

CPAPを使用してもいびきが治らない原因として、CPAPの圧力設定が合っていない可能性もあります。

CPAPの圧力設定は、事前に実施したPSG(ポリソムノグラフィー)検査において、睡眠中の無呼吸や低呼吸の頻度を評価して医師が決定します。PSG検査中にCPAPを装着し、適宜圧を変えて最も無呼吸や低呼吸が消失し、睡眠の質が向上する圧力を見定め、その圧で治療を開始するわけです。

しかし、この圧力設定が低すぎる場合、十分に気道が広がらず、いびきや無呼吸の程度が十分に改善しません。

一方で、圧力設定が高すぎる場合、気道に大量の空気が入り込むことで不快感や呼吸苦、腹部膨満感(胃に空気が入り込むため)、マスクの空気漏れ、気道の乾燥など、さまざまな症状が生じる可能性があります。

いずれにせよ、十分な効果やいびきの改善が得られにくくなるため、圧力設定を適切に保つことが重要です。
自己判断で圧を調整することは大変危険なため、必ず圧力設定を設定する場合は主治医に相談の上で変更しましょう。

鼻づまり・鼻炎を発症している

CPAPを使用してもいびきが治らない原因として、鼻づまり・鼻炎を発症している可能性もあります。

CPAP治療では、気道に空気を送り込んで陽圧をかけ、気道を押し広げることでいびきの改善を目指すため、軽度の鼻づまりや鼻炎であれば鼻腔が開通し、いびきが改善する可能性があります。

一方で、重度の鼻づまりや鼻炎が原因の場合や鼻茸、鼻中隔湾曲症などを発症して物理的に鼻腔が狭窄している場合、CPAP治療で空気を送り込んでも十分な気道の開通は得られず、鼻いびきの改善が得られない可能性が高いです。

またこのように鼻閉が高度の場合、鼻腔だけに陽圧をかけるネーザルタイプや鼻ピロータイプのマスクは使用できないため、鼻と口を全部同時に覆うフルフェイスタイプのマスクを使用することが多いですが、フルフェイスタイプのマスクはリークや無呼吸・低呼吸の残存が起こりやすいことが知られています。

いびきの原因が耳鼻科疾患である場合は、CPAP治療ではなく耳鼻科的な治療を優先することが一般的です。

生活習慣や体型の変化

CPAPを使用してもいびきが治らない原因として、生活習慣や体型の変化が影響している可能性もあります。不適切な生活習慣や体型の変化は気道の開通性に大きく影響し、気道の狭窄を招くため、CPAPを使用しても十分な効果が得られない可能性があります。

特に注意が必要なのは下記のような生活習慣です。

  • 就寝直前の暴飲暴食
  • 就寝直前のアルコール摂取や睡眠薬の常用
  • 過度な喫煙
  • 運動不足

就寝直前の暴飲暴食や運動不足は肥満を招き、首回りの脂肪の量が増加すると、脂肪によって気道が圧迫を受けるため、気道狭窄やいびきの原因となります。

特に、肥満を表す指数であるBMI【体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)】が25以上の方の場合、いびきのリスクが高まることが知られており、注意が必要です。

また、アルコールや睡眠薬には筋弛緩作用があり、舌の筋力低下によって舌根沈下(舌が気道の方向に落ち込むこと)が生じ、いびきの原因となります。

さらに、過度な喫煙はタバコに含まれる有害物質によって気道に炎症が生じ、炎症による浮腫によって気道狭窄を来すため、やはりいびきの原因となるため、控えましょう。

扁桃肥大で気道が狭くなっている

CPAPを使用してもいびきが治らない原因として、扁桃肥大で気道が狭くなっている可能性もあります。

扁桃とは口腔内にあるリンパ組織のことで、口から体内に侵入しようとする病原菌を退治する役割を持ちますが、口蓋垂(いわゆる、のどちんこ)の横にある口蓋扁桃が何らかの原因で肥大すると、空気の通り道である気道を狭窄させるため、注意が必要です。

扁桃肥大に伴ういびきの場合、仮にCPAPで陽圧をかけても、物理的に肥大した口蓋扁桃が小さくなるわけではないため、扁桃が後方の気道に押し込まれて、十分な気道の開通が得られない可能性があります。

特に口蓋扁桃の肥大によるいびきや睡眠時無呼吸症候群の発症は小児に多く、場合によっては手術を行わないと改善しないため、いびきの原因をしっかり精査することが重要です。また、口腔内には口蓋扁桃以外にもアデノイドと呼ばれるリンパ腺もあり、こちらも肥大するといびきの原因となるため、注意が必要です。

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策

先述したように、CPAPを使用すれば必ずいびきが治るわけではなく、原因によっては十分な改善が得られない場合もあります。

改善が得られない状態が続けば、睡眠の質の低下やさまざまな健康被害のリスクも上がってしまうため、CPAP以外の改善策を試すことが重要です。

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策は主に下記の5つです。

マスクのサイズ・種類を見直す

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策として、マスクのサイズ・種類を見直すことが挙げられます。
CPAP治療においてマスクのフィット感やセレクトは非常に重要であり、原因や骨格に対して不適切なマスクの使用は思ったような効果が得られなくなる可能性があります。

一般的にはCPAPで利用されるマスクはS、M、L、XLの4サイズあり、サイズを変えるだけでもフィット感が向上し、効果が上がる可能性が高いです。また、CPAPで利用されるマスクの種類は主に下記の3つです。

スクロールできます
メリットデメリット
鼻マスク・フィット感がよく、多くの人にとって使いやすい
・さまざまな形状やサイズが用意されている
・鼻筋部分が圧迫されて、跡が残ることがある
・ピロータイプと比べて視界が邪魔されやすい
・鼻閉患者では使用が困難なことも
鼻マスク ピロータイプ
・鼻マスクよりも顔面への圧迫感が少ない
・視野が広く、使用感が良い
・鼻閉患者では使用が困難なことも
・鼻腔に刺激を感じる可能性がある
鼻口マスク・口呼吸や重度の鼻閉を伴う方でも使用できる・顔面の圧迫感が最も強い
・密着度が下がり、リークしやすい

自身の状態に適した種類を選ばないと効果が十分得られない可能性があるため、それぞれの特徴を理解し、適切な種類を使用しましょう。

鼻づまり対策をおこなう

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策として、鼻づまり対策をおこなうことも重要です。鼻腔の狭窄が高度な場合、たとえCPAP治療を行っても鼻腔の十分な拡張が得られず、鼻呼吸の際にいびきが鳴ってしまいます。

特に、重度のアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、さらには鼻茸や鼻中隔湾曲症などが原因の場合、粘膜がかなり肥厚していたり、鼻腔を形成する骨そのものが湾曲して鼻腔が狭窄している状態のため、CPAPを使用しても十分な改善が得られません。

一方で、軽度のアレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎などが原因の鼻いびきの場合、一般的な鼻づまり対策をおこなうことで鼻腔の拡張が得られ、いびきを改善できる可能性があります。鼻うがい、市販の点鼻薬や医薬品の内服などのアレルギー対策、鼻腔拡張テープなどの市販グッズの使用など、その対策はさまざまです。

また、寝室の湿度が乾燥していると鼻腔で炎症が起こり、狭窄が生じやすくなるため、適切な温度・湿度を保つことも重要です。それでも改善が得られない場合は、必要に応じて耳鼻科を受診しましょう。

寝る姿勢を工夫する

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策として、寝る姿勢を工夫することも重要です。寝る姿勢はいびきの発症に大きく関わっており、特に仰向けはいびきをかきやすい体位であるため、注意が必要です。

睡眠中、舌の筋肉が弛緩することで、舌は重力の影響を受けて位置が移動してしまいますが、仰向けの場合、舌は重力によって後方に移動してしまいます。

舌の後方にはちょうど気道が位置しており、弛緩した舌がその気道に蓋をするかのように移動してしまうため、気道が狭窄し、いびきをかきます。この状態でCPAPで空気を押し込んでも、舌が邪魔でうまく気道が広がらない可能性があるため、注意が必要です。

一方で、横向き寝やうつ伏せ寝の場合は舌が側方、もしくは前方に移動するため、気道への影響が少なく、CPAPを併用することでさらに高い効果を得られる可能性がありますが、うつ伏せ寝の場合はCPAPが邪魔になる可能性があるため、注意すべきです。

寝る前の飲酒は避ける

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策として、寝る前まで飲酒している方は控えましょう。アルコールは睡眠に対してさまざまな悪影響をもたらすことが知られており、寝る直前までの飲酒はいびきの発症や睡眠の質の低下につながります。

アルコール自体には入眠作用があり、飲酒によって眠くなる人も少なくないですが、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドには覚醒作用があり、これによって入眠から数時間後に中途覚醒してしまう人も多いです。

さらに、アルコールには筋弛緩作用があるため、舌の弛緩による舌根沈下が生じやすくなり、気道狭窄によっていびきをかきやすくなります。先述したように、この状態ではCPAPを使用しても舌が気道に押し込まれる可能性があり、十分な効果を得られない可能性があります。

そのため、過剰な飲酒は避け、飲酒する場合も就寝の3-4時間以上前には飲み終えておくと良いでしょう。

舌トレーニングをおこなう

CPAPを使用してもいびきが治らない場合の改善策として、舌トレーニングをおこなうこともおすすめです。

舌トレーニングとは、その名の通り舌を定期的に動かすことで舌根沈下を予防し、いびきの改善を目指すトレーニングです。
舌トレーニングによって得られる効果として下記の2つが挙げられます。

  • 舌の筋力の維持・向上
  • 舌の位置の適切化

舌トレーニングによって舌の筋力は維持・向上でき、舌の弛緩によって生じる舌根沈下や、それに伴ういびきの予防・改善が目指せます。

また、低舌位(口を閉じた時に舌が上顎に付かない)の方は舌が後下方に下がり、舌根沈下やいびきが生じやすくなることが知られていますが、舌トレーニングを行うことで舌の位置を適切に保つことができるため、いびきの改善が期待できるのです。

舌トレーニングは特別な器具や薬は必要なく、今日からでもどこでも実践できるため、ぜひ試してみると良いでしょう。

CPAP以外のいびきの治療法は?

いびき治療として確かにCPAPは強力ですが、原因や使用法によってはいびきの十分な改善は得られず、また上記で紹介したようなセルフケアを行なっても、原因によっては改善することができない可能性があります。

そのため、CPAPやセルフケアでの改善が得られない場合は、医療機関を受診し、適切な診断や原因を精査した上で、下記のような治療法を試しましょう。

鼻づまりの治療

CPAP以外のいびきの治療法として、鼻づまりの治療が挙げられます。

繰り返しになりますが、高度な鼻腔の狭窄を伴う耳鼻科疾患によるいびきの場合、CPAPでどんなに陽圧をかけても鼻腔は思ったように広がらず、いびきを改善させることができない可能性があります。

そのため、そのような状態であればCPAP治療よりも、まずは鼻づまりの治療が必要です。
具体的には下記のような治療法が挙げられます。

  • 抗ヒスタミン薬や抗炎症薬などの内服治療
  • ステロイドや血管収縮薬を含む点鼻薬
  • レーザー手術による粘膜の切除・焼却
  • 内視鏡下での粘膜や骨の切除

アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎のように、鼻粘膜が炎症によって腫脹する疾患の場合、上記の内服や点鼻薬によって鼻粘膜の炎症を抑え、浮腫を軽減することで改善を目指せます。

一方で、鼻茸のように高度な腫脹を認める場合や、鼻中隔湾曲症のように鼻腔を形成する骨そのものが湾曲して鼻腔が狭くなっている場合、内服や点鼻薬によって鼻粘膜の炎症を抑えても十分な効果は得られず、レーザー手術、もしくは内視鏡下での粘膜や骨の切除が必要です。

マウスピース治療

CPAP以外のいびきの治療法として、マウスピース治療が挙げられます。マウスピース治療とは、自身の骨格や歯列の形に合わせて作製されたマウスピースを装着し、下記のような効果を得る治療法です。

  • 下顎の後下方への移動を抑制する
  • 舌の位置を適切化する

睡眠中に口呼吸をしてしまうと、吸気時に下顎が後下方に移動してしまい、その結果後方に位置する気道が圧迫されるため、気道狭窄やいびきの原因となります。マウスピースを装着することで下顎を前方に固定でき、後下方への移動を抑制できるため、いびきの改善を目指せます。

また、マウスピースを使用することで舌の位置を適切化することができ、先述した低舌位の方の場合、舌の位置を適正化することで気道狭窄を改善できるため、いびきの改善に有用です。

マウスピースは市販でも購入可能ですが、これらの商品は自身の骨格や歯列に合わせて作製されておらず、痛みや違和感などの副作用を招く可能性もあるため、必ず専門の医療機関での作製を心がけましょう。

喉のレーザー治療

CPAP以外のいびきの治療法として、喉のレーザー治療が挙げられます。咽頭は口蓋や口蓋垂(のどちんこ)・口蓋弓などさまざまな構造物によって囲まれた空間であり、生まれながらにスペースが小さい場合や、後天的に舌が肥大してスペースが小さくなる場合、気道が狭窄していびきの原因となります。

特に、口蓋垂が太くて長い人や、口蓋弓の粘膜が低く幅広く垂れさがっている人は、気道が狭くいびきをかきやすいため注意が必要です。

そこで近年では、喉の粘膜や軟口蓋、口蓋垂などの組織をレーザーで焼却し、これらの組織を縮小・除去することで気道を広げ、いびきの改善を目指す治療も普及しつつあります。

体重管理・肥満治療

CPAP以外のいびきの治療法として、体重管理・肥満治療が挙げられます。肥満はいびきの最大の原因であり、首回りに脂肪が蓄積することで気道が圧迫され、いびきをかきやすくなります。
また、舌にも脂肪が蓄積すると、肥大した舌によって気道狭窄が生じ、いびきをかきやすくなるため、注意が必要です。

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」では、過去のどのような研究でも一貫して体重減少はAHI(低呼吸や無呼吸の頻度を示す指数)の改善を示しており、ダイエットが睡眠時無呼吸症候群やいびきの改善に効果的と報告しています。

また、同ガイドラインでは肥満を認める方においては全例に減量療法の併用を推奨しており、特に食事療法と運動療法の併用を推奨しています。効果的なダイエットのためには、規則正しくバランスの良い食事摂取と、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動を組みあわせることが重要です。

特に、BMI25以上の方はいびきのリスクが高まるため、自身での体重管理や、ダイエット外来などで肥満治療を行うことを検討しましょう。

CPAPの再設定

上記のような治療を試す前に、CPAPの設定を見直すことも重要です。先述したように、CPAPでは使用するマスクにさまざまな種類やサイズがあり、自身に合っていないものを使用していても思ったような効果は得られません。

また、設定する圧が不適切な場合、気道が広がらずいびきが改善しなかったり、リークが増えて十分な圧がかからない可能性もあるため、注意が必要です。

CPAPの理想的な設定圧や、使用するマスクの形状・サイズは治療をしていく中で変化していく可能性があるため、定期的な見直しを行うことが重要であり、何か使用感に変化がある場合は必ず医師にその内容を伝えるようにしましょう。

なお、自己判断での圧設定の変更は大変危険であり、効果が下がるだけでなく、さまざまな副作用や合併症を招く可能性もあるため、絶対に控えましょう。

CPAPを使用してもいびきが治らなかった方の体験談と改善事例

「CPAPでもいびきが治らないのに、どうやって治せばいいの?」このような不安を抱える方も少なくないでしょう。
いびきの原因や改善に至る経過は人それぞれ、十人十色です。

CPAPは非常に効果的な治療である一方、必ずしもいびきを治せる治療ではないため、それぞれの原因や症状にあった治療法を選択することが重要です。

ここでは、CPAPを使用してもいびきが治らなかった方の体験談と改善事例を3つ紹介します。

20代男性:手術療法で改善した事例

20代のAさんは以前から鼻詰まりを自覚しており、徐々に悪化傾向でしたが、それ以外は特に既往もない、至って健康な会社員の男性です。彼女との同棲をきっかけに自身のいびきがうるさいことを知り、それにショックを受けたAさんは近隣のクリニックを受診したところ、CPAPの使用を勧められ、鼻タイプのCPAPを使用し始めました。

しかし、鼻詰まりのせいで息苦しく、時折圧が高まってリークしてしまうこともあり、十分な改善が得られませんでした。そこで、改めて他の耳鼻咽喉科を受診したところ、鼻詰まりの原因を調べることとなり、CTを撮影した結果、鼻中隔湾曲症の診断に至りました。

この場合、CPAPでの治療よりも手術が適切であると医師から伝えられ、手術を行なったところ、術後1週間でこれまで悩んでいた鼻詰まりやいびきが改善されたそうです。彼女からもいびきの改善を喜ばれ、CPAPを続けず耳鼻科を受診して良かったと実感したそうです。

30代女性:セルフケアで改善した事例

30代女性のBさんは日々多忙に仕事をする会社員で、夜帰宅する時間も遅く、深夜の飲酒や食事摂取、運動不足など生活習慣が乱れていました。体重も徐々に増加傾向であり、それに伴い朝の倦怠感や日中の強い眠気を感じることが増え、不安になってネットで検索すると、睡眠時無呼吸症候群の可能性があると感じ、近隣の医療機関を受診したそうです。

医療機関でも睡眠時無呼吸症候群の可能性を指摘され、検査入院した結果、大きないびきや無呼吸を認めていることをしり、CPAPで治療することになりました。しかし、生活習慣そのものは改善することがなく、特に深夜にお酒を飲んだ日はCPAPをつけてもいびきがうるさく、息苦しくてマスクを外してしまうこともあったそうです。

医師に相談したところ、生活習慣の改善やセルフケアも必須と伝えられ、飲酒や暴飲暴食を控え、運動や舌トレなどを行うよう心がけました。その結果、体重も徐々に減少し、CPAPでの治療が十分効果を得られるようになったそうです。仕事にも集中できるようになり、セルフケアを今後も継続しようと実感できたそうです。

40代男性:喉のレーザー治療で改善した事例

40代男性のCさんは長年いびきを指摘されており、40代に入ってから少し体重が増えたことでいびきの音も大きくなっていました。また同時に、日中激しい眠気に襲われる機会が増え、タクシーの運転手でもあったことから恐怖を覚え、治療することにしたそうです。

近隣のいびき外来を受診したところ、症状を伝えてCPAP療法の導入を勧められたため、実際に使用し始めましたが、CPAPを使用してもいびきがうるさく、家族からはあまり変わっていないと言われたそうです。

そこで、近隣の耳鼻咽喉科を受診し、詳しく検査したところ、口蓋弓が垂れ下がっていて、気道が通常の人よりもかなり狭くなっていることが原因であると指摘されました。

改善のためには、垂れ下がっている口蓋弓を切除する必要があるため、レーザーによる口蓋垂軟口蓋形成術を勧められ、実際に行なった結果、CPAPなしでもいびきが改善したそうです。運転中に眠気を感じることもなくなり、安心して仕事に取り組めるようになったため、治療を受けて良かったと感じたそうです。

【まとめ】CPAPでいびきが治らない場合は原因の見直しを

この記事では、CPAPでいびきが治らない場合の原因や対処法、他の治療法について詳しく解説しました。

CPAPは確かにいびき治療の中核を担う治療法であり、中等度〜重度の睡眠時無呼吸症候群の治療において第一選択となっていますが、原因によっては十分その効果を発揮できない可能性があります。

また、CPAPの設定や使用するマスクのサイズ・種類によっても、得られる効果は変わってしまうため、CPAPでいびきが治らない場合は原因の見直しや、CPAPの設定を見直すことが重要です。

しかし、なかなか自己判断で原因や設定を見直すことは困難であるため、セルフケアでも改善しない場合はまずは主治医に相談することが重要です。

下記の記事では、いびきの危険度を簡単にセルフチェックできる方法を紹介しているため、もしCPAPでもいびきが治らない方は、一度チェックして、主治医に相談すべきか判断してみると良いでしょう。

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