痩せているのにいびきがひどいのはなぜ?原因・対処法を解説

  • 痩せているのにいびきをかくのはなぜ?
  • 痩せている人のいびきを改善させる方法は?

このようなお悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

確かにいびきは太っている方に多い傾向にありますが、実は痩せている人でも骨格や生活習慣が原因でいびきをかく可能性があります。

いびきを放置すれば睡眠の質の低下や日常生活への悪影響、さまざまな健康被害をもたらす可能性があるため、原因を把握し、適切に対処することが重要です。

本記事では、痩せているのにいびきをかく原因や対処法を詳しく解説します。本記事を読むことで、痩せている人でもいびきの原因をしっかり把握することができ、より良い睡眠を取り戻すことができるようになるため、ぜひご一読ください。

この記事の監修者
dr-honda

本多 洋介 医師

2009年に群馬大学医学部医学科を卒業以降、関東圏の循環器病院で勤務。現在は、Myクリニック本多内科医院の院長を務める。担当は内科・循環器内科。いびき、睡眠時無呼吸症候群のプロとして日々臨床に取り組む。累計、300人以上のいびき、睡眠時無呼吸症候群の患者を担当。

一般社団法人 いびき無呼吸改善協会

目次

痩せてるのにいびきがひどいのはなぜ?原因とは?

いびきの最大の原因は肥満と言われていますが、痩せている人でもいびきをかくことがあります。痩せているのにいびきがひどい原因は、主に下記の7つです。

それぞれについて詳しく解説します。

あごが小さい・後退している(下顎後退)

痩せているのにいびきがひどい原因として、あごが小さい・後退している(下顎後退)可能性が挙げられます。

いびきとは、睡眠中に空気の通り道である気道が狭窄することで生じる気道粘膜の振動音であり、気道が狭くなればなるほど生じやすいです。あごが小さい人や下顎が後方に後退している人の場合、下顎の後方に位置する気道が狭窄しやすくなるため、痩せていてもいびきをかきやすくなります。

また、あごが小さいと舌が口腔内に収まりきらず、口を閉じた時に後方に押し込まれてしまうため、やはりいびきをかきやすくなります。特に日本人は欧米人と比較してあごが小さいと言われており、気道が狭窄しやすいため、注意が必要です。

さらに、近年では美容整形目的で顎を削ったり、後方に引っ込めるような手術を受ける若年者も増えており、その結果、後天的に下顎後退していびきをかくケースも増えているため、注意が必要です。

耳鼻科的疾患

痩せているのにいびきがひどい原因の1つに、アレルギー性鼻炎やアデノイドなどの耳鼻科的疾患を発症している可能性が挙げられます。

本来、ヒトは鼻呼吸を行うことで、睡眠中に取り込む空気の加湿や加温、さらには小さなゴミの吸着などを行い、より綺麗で気道に優しい空気を取り込みます。

しかし、アレルギー性鼻炎を発症すると鼻粘膜が浮腫み、気道が狭窄することでいびきをかきやすくなるため注意が必要です。

また、鼻づまりが高度になると十分な酸素を取り込めなくなるため、自然と口呼吸の頻度が増加します。口呼吸は吸気時に下顎が後方に下がってしまうため、気道が圧迫されることで、やはりいびきをかきやすくなる原因です。

さらに、口呼吸の場合は鼻呼吸と異なり、流入する空気に対して十分な加湿加温ができず、汚くて寒冷乾燥した空気が気道に流入するため、気道の炎症や浮腫が生じやすくなり、その意味でもいびきのリスクが上がってしまいます。

他にも、咽頭のリンパ組織であるアデノイドが肥大するアデノイド肥大も、咽頭部が狭窄するため、痩せていてもいびきをかく原因です。

舌が大きい・舌の位置が下がっている(舌根沈下)

痩せているのにいびきがひどい原因として、舌が大きい・舌の位置が下がっている(舌根沈下)可能性が挙げられます。先述したように、気道は舌の後方に位置しているため、舌が大きい場合や舌の位置が後方に下がっている場合、後方に位置する気道が圧排されるため、いびきをかきやすくなるのです。

舌は主に筋組織と唾液腺で構成されているため、加齢によって筋組織が衰えたり、過度の疲労によって舌が通常よりも弛緩してしまうと、重力の影響を受けやすくなり、舌根沈下を引き起こしてしまいます。

また、舌が通常よりも肥大化してしまう原因として、先天性の場合は筋繊維肥大症・先天性リンパ管腫・ヘックウィズウィーデマン症候群の部分症状などが挙げられます。

一方で、後天的に舌が肥大する原因疾患としては、血管腫・リンパ管腫・神経繊維腫などの腫瘍疾患が挙げられるため、注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群(痩せ型タイプ)

痩せているのにいびきがひどい原因として、睡眠時無呼吸症候群(痩せ型タイプ)が挙げられます。

睡眠時無呼吸症候群とは、何らかの原因で気道が狭くなることで睡眠中の低呼吸(10秒以上持続する換気量の低下(通常の50%以下)かつ、動脈血酸素飽和度の3%以上の低下や覚醒反応を伴う)もしくは無呼吸(10秒以上の呼吸停止)が増加する病気です。

睡眠時無呼吸症候群の最大の原因は肥満であり、通常はBMI(体重(kg)÷体重(m)÷体重(m))が高い人ほど発症しやすいことが知られています。

一方で、佐藤らの報告によれば睡眠時無呼吸症候群発症患者の38%はBMIが25kg/m2未満であり、さらに5%の患者は 18.5kg/m2未満の痩せであったそうです。(参考文献:jstage

以上のことからも、肥満に伴いやすい病気ではあるものの、特に日本人のように骨格的にいびきをかきやすい民族では、BMIに関わらず睡眠時無呼吸症候群を発症する可能性が高いことがわかります。

寝姿勢(仰向け寝)

痩せているのにいびきがひどい原因として、睡眠中の姿勢が挙げられます。先述したように、気道は舌後方に位置しており、睡眠中に弛緩した舌は重力の影響を受けて位置が変わるため、特に仰向けの場合は重力に伴って気道を圧迫しやすいです。

一方で、横向きの場合やうつ伏せの場合は重力に伴って舌が側方、もしくは前方に移動しやすくなるため、いびきをかくリスクが減ります。

中曽根の報告によれば、就寝時の体位は男性の場合、仰臥位>右下側臥位>左下側臥位>伏臥位、女性の場合は右下側臥位>仰臥位>左下側臥位>伏臥位であり、特に男性の場合は体位によるいびきの発症に注意が必要です。(参考文献:jstage

また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020によれば、側臥位から仰臥位に体位を変えることで低呼吸や無呼吸が大幅に改善する場合、重症度が低く、若年者でBMIの低い方に多いそうです。(参考文献:一般社団法人日本呼吸器学会

一方で、体位変換による治療(体位療法)は標準的なデバイスも開発されておらず、十分なエビデンスに乏しいことから、エビデンスレベルDとしており、あくまで補助的な治療法として位置付けています。

アルコールや睡眠薬の影響

痩せているのにいびきがひどい原因として、アルコールや睡眠薬の影響が挙げられます。アルコールによるいびきの発症メカニズムは主に下記の3つです。

  • 鼻粘膜の充血・浮腫
  • 舌の筋弛緩
  • 気道の浮腫

アルコール摂取によって鼻粘膜は充血・浮腫を引き起こし、鼻呼吸が困難となることで口呼吸の頻度が増加するため、いびきの発症リスクが増加します。

また、アルコールには筋弛緩作用があり、舌や咽頭周囲の筋肉が弛緩することで気道が狭窄しやすくなるため、注意が必要です。

さらに、アルコールには血管拡張作用もあり、同時に水分を多量摂取することで、組織における浮腫が生じやすく、気道が浮腫む原因にもなります。

次に、睡眠薬にもアルコール同様に筋弛緩作用があり、特にベンゾジアゼピン系睡眠薬では筋弛緩作用が強いため、注意が必要です。常習的な飲酒や睡眠薬の使用は控え、もし飲酒するにしても少なくとも就寝の4時間以上前には飲み終えておくことが重要です。

喉の筋力の低下(加齢・運動不足)

痩せているのにいびきがひどい原因として、喉の筋力の低下が挙げられます。気道は咽頭部や喉頭部の筋肉、脂肪、骨、軟骨など、さまざまな組織によって形成されていますが、中でも筋肉量や筋肉の機能は変化しやすく、筋力低下によって気道が周囲から圧迫されやすくなり、いびきを引き起こします。

喉の筋力低下の原因としては、加齢やストレス、運動不足、甲状腺機能低下症など、さまざまな原因が挙げられるため、注意が必要です。

喉の筋力は日常生活で鍛える機会に乏しいため、筋力維持のためには、ある程度意識的にトレーニングを行う必要があります。

ストローを使った発声練習や「アイウエオ体操」など、ある程度年齢の若いうちからトレーニングを行うことが重要です。

痩せてるのにいびきがひどい方の体験談

上記で紹介したように、痩せているのにいびきがひどくなってしまう原因は多岐に渡り、いびきに気付くきっかけやいびき改善のための方法なども人によってさまざまです。

ここでは、実査にあった痩せてるのにいびきがひどい方の体験談を3つ紹介します。

10代女性:元々あごが小さいケース

10代女性のAさんはBMI18と痩せ型の体型で、顔も小さくよく美人と言われる女子高生でした。小さい時には指摘されなかったものの、最近になって家族からいびきがうるさくなったと指摘されたことでいびきを自覚したそうです。

年頃のAさんにとっていびきを指摘されることは恥ずかしく、友人とのお泊まり会や修学旅行に行くのが不安だったそうです。

実際に自分で録音してみてもその音の大きさに驚き、将来のためにも改善したいと考えていびきを専門としているクリニックを受診しました。

そこで精査したところ、あごが小さく下顎が後方の気道を圧迫していることでいびきをかいている可能性が高いと指摘され、マウスピース装着による治療を実施しました。マウスピース装着によって下顎を前方に押し出して固定し、気道の狭窄を解除する治療法です。

その結果、マウスピース装着によって症状は著明に改善し、持ち運びも楽なため、友人とのお泊まりに対する恐怖心も無くなったそうです。今振り返っても、いびきは専門医に相談して、不安を早期に解消することが重要だと強く実感しているそうです。

30代女性:生活習慣の乱れによっていびきが生じたケース

30代女性のBさんは普段会社員として多忙に働き、夜遅くに帰宅してからの晩酌が唯一の楽しみでした。夜の食事摂取量はそこまで変わらなかったものの、徐々に飲酒量が増えていき、また喫煙者でもあったため、就寝直前までの飲酒・喫煙が習慣的に繰り返されていたそうです。

特に夜遅くまで飲酒した日は家族からいびきがうるさいと指摘されるようになり、それとともに起床時に倦怠感や眠気が強く、日中にも激しい眠気に襲われることが増えたそうです。

その結果、日中の業務でもミスが増えたり、眠くて仕事が手につかなくなる機会が増えたため、近隣のクリニックを受診したところ、アルコールや喫煙によっていびきが増え、睡眠の質が大幅に低下している可能性を指摘されました。

就寝直前の飲酒や喫煙は控えるように指示されたため、生活習慣の是正を行い、いびきの音を録音して変化を確かめたところ、飲酒量や喫煙量を制限すればするほど、いびきも改善していることがわかり、日中の仕事の質の向上にもつながりました。

肥満でもなくいびきとは無縁と思っていたBさんにとって、まさか生活習慣がいびきとと直結するとは思いもせず、これをきっかけに生活習慣が健康や睡眠に与える影響を改めて認識できたそうです。

50代男性:耳鼻科疾患の発症をきっかけにいびきが生じたケース

50代男性のCさんは、普段から健康への意識も高く、食事内容を気にしたり、定期的にジムに通うなど健康に配慮しており、年齢にしては痩せ型(BMI20ほど)の会社員です。これまでも大きな病気など罹患したことなく、健康そのものでしたが、とある日からいびき症状とともに咽頭痛や喉の渇き、日中の眠気を自覚するようになり、仕事に集中できなくなったそうです。

そこで、近隣の耳鼻科クリニックを受診して精査したところ、鼻腔内にポリープを認め、鼻づまりによって口呼吸が増加していびき症状や咽頭痛が出現しているとの診断を受けました。

鼻腔内のポリープを縮小させる点鼻薬を開始したところ、いびき症状の改善や咽頭痛・喉の渇きなどの症状も改善し、日中の眠気も解消されたそうです。

適切に対応してくれた専門医に感謝するとともに、自分の原因を早期に特定し、それに見合った適切な対策を行うことの重要性を改めて認識できたそうです。

痩せているのにいびきがひどい方におすすめ!今日からできる対策

痩せているのにいびきがひどい場合、放置すれば睡眠の質の低下や日中の集中力の低下、さらには低酸素状態のストレスによって高血圧や脳血管障害のリスク増大など、さまざまな悪影響を及ぼします。

そのため、下記のような方法で今日からでも対策すべきです。

それぞれについて詳しく解説します。

横向き寝の習慣化で気道を確保

痩せているのにいびきがひどい場合、横向き寝の習慣化で気道を確保することが重要です。先述したように、睡眠中は舌が弛緩し、重力の影響を受けてしまうため、仰向けだと後方の気道に舌が落ち込みやすく、舌根沈下によるいびきのリスクが高まります。

そのため、できるだけ横向き寝を習慣化することで舌が気道方向に落ち込まないようになり、気道を確保できます。横向き寝の習慣化のためには、抱き枕の使用や腰の沈みにくい反発感のあるマットレスの使用、横向きになった時に適切な枕の使用などがおすすめです。

横向きになった時に寝心地が悪いと無意識に仰向けに戻ってしまうため、横向きでも寝心地が良いように就寝環境を整ええておくと良いでしょう。

また、パジャマの背中にテニスボールなどを縫い付けておくと、仰向けになった時の違和感で自然に横向き寝が増加するため、どうしても横向け寝が習慣化できない場合は実践してみると良いでしょう。

マウステープや鼻呼吸グッズの活用

痩せているのにいびきがひどい場合、マウステープや鼻呼吸グッズなどの活用もおすすめです。痩せているのにいびきがひどい場合、いびきの原因は肥満以外であり、主に耳鼻科疾患の発症や、何らかの原因で口呼吸が増加している可能性が高く、鼻呼吸を促すための市販グッズの活用でいびきが改善する可能性があります。

例えば、口が開くのを抑制するマウステープを使用すれば口呼吸ができなくなるため、自然と鼻呼吸の頻度が増加し、いびきを改善できる可能性があります。

一方で、鼻づまりなどが原因で口呼吸している方にマウステープを使用すると窒息してしまうため、その場合は鼻腔拡張テープやノーズクリップなどの鼻呼吸グッズを使用する方が適切です。

これらの市販グッズを使用する場合は、自身のいびきの原因を見極め、その原因を解消するための最適なグッズを使用することが重要であり、不適切なグッズの使用はむしろ症状を悪化させる可能性もあるため、注意が必要です。

ナイトガードやマウスピースを使った対処法

痩せているのにいびきがひどい場合、ナイトガードやマウスピースを使った対処法も検討すべきです。口呼吸が多い場合や、もともと骨格的に下顎が後方に後退している場合、もしくは顎が小さい場合、睡眠中に下顎が後方の気道を圧迫しやすく、いびきの原因となります。

そこで、自身の歯列や口腔内の解剖に合ったナイトガードやマウスピースを作製・使用することで、下顎を前方に固定することができ、気道の狭窄を予防することができます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020によれば、軽度から中等度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対してはマウスピースなどによる装具療法を推奨しており、エビデンスレベルはBです。装具療法によって、QOLの改善や一部の心血管危険因子の改善など、複数のメリットが報告されています。

一方で、唾液過多・歯や歯肉の疼痛や違和感・起床時の咬合異常・筋肉や顎関節の違和感・歯の移動とそれに伴う咬合異常など、装着する上でさまざまなデメリットもあるため、自身の口腔内の解剖に適切なマウスピースの装着が必要不可欠です。

専門医での診断・治療

痩せているのにいびきがひどい場合、専門医での診断・治療を受けることが重要です。いびきの原因は上記でも示したようにさまざまであり、肥満はもちろんのこと、顎が小さい、舌が大きい、鼻づまり、生活習慣、使用している寝具の形状など、多岐にわたります。

また、その原因次第で取るべき対策も異なり、もし対策を誤ってしまうとむしろ症状が悪化してしまう可能性もあるため、適切な診断とそれにあった治療を行うことが重要です。

例えば、耳鼻科疾患が原因で生じているいびきに対して、どんなに生活習慣の改善や体位療法を行っても、鼻詰まりによって口呼吸が増えてしまう以上、根本の解決には耳鼻科疾患の治療が必要不可欠です。そのためには、いびき対策を専門とする専門医の受診が重要です。

痩せているのにいびきがひどいのは病気?見逃してはいけないサインとは

痩せているのにいびきがひどい場合、何らかの病気を発症している可能性があります。ただし、それを自身で発見したり、判断するのは容易ではなく、ただのいびきだと放置してしまう方も少なくありません。

しかし、いびきを放置するとさまざまな悪影響を及ぼす可能性もあるため、ここではいびきの見逃してはいけない症状やサインを紹介します。

睡眠時無呼吸症候群の可能性をチェック

痩せているのにいびきがひどい場合、まずは睡眠時無呼吸症候群の可能性をチェックしましょう。睡眠時無呼吸症候群はいびきを引き起こす代表的な疾患であり、肥満者に多い疾患ではあるのものの、日本人では骨格的に細身の人でも発症しうる病気です。

アデノイドや扁桃肥大、副鼻腔炎などの耳鼻科疾患もいびきの原因となりますが、何よりも注意すべきは睡眠時無呼吸症候群であり、その理由は睡眠時無呼吸症候群の長期的予後にあります。

睡眠時無呼吸症候群を発症すると、睡眠中に取り込める酸素量が減少し、身体は持続的な低酸素状態に陥ります。そのストレスによって交感神経系が持続的に活性化され、高血圧や糖尿病、心血管疾患や脳血管障害の発症リスクを増大させることが知られており、注意が必要です。

ただのいびきと思っていたら、心不全や脳梗塞・脳出血など、命に関わるような病気の発症リスクが増大してしまう事態に陥りかねないため、痩せているのにいびきを認める方は必ず睡眠時無呼吸症候群の可能性を念頭に置いて精査する必要があります。

日中の眠気・集中力低下・頭痛がある場合は要注意

痩せているのにいびきがひどい方の中で、日中の眠気・集中力低下・頭痛がある場合は要注意です。

日中の眠気・集中力低下・頭痛などの症状は睡眠時無呼吸症候群の初期症状として代表的であり、これらの症状を認めた場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いです。集中力の低下によって仕事や学業に身が入らず、日常生活に支障をきたす方も少なくありません。

また、日中の過度な眠気によって転倒や転落のリスクが高まり、症状が進行すると居眠り運転によって死亡事故を引き起こすケースも報告されています。

海外での調査によると、睡眠時無呼吸症候群発症者が交通事故を起こす確率は、健常者よりも約7倍多いと報告されており、睡眠時無呼吸症候の症状が重症化すればするほど、交通事故を起こす危険性は高まるそうです。

以上のことより、睡眠時無呼吸症候群に伴う健康被害はもちろんのこと、居眠り運転や転倒・転落など、二次被害の可能性もあるため、上記のような症状を認める場合は早期に医療機関に受診すべきです。

どの診療科に行けばいい?受診の目安と検査内容

では、睡眠時無呼吸症候群が疑わしい場合、診断のためにはどの診療科を受診すればいいのでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群を発症している原因がどのような原因であるかによっても、受診すべき診療科は異なりますが、原因が自身の中で明確ではない場合、まずは耳鼻咽頭科を受診するのがおすすめです。

いびきは気道の狭窄によって引き起こされているため、気道を構成する咽頭や喉頭部の解剖・構造に精通した耳鼻咽頭科であれば、多くの場合適切に対応できるためです。

また、睡眠中に大きないびきを認め、時折呼吸停止している場合や、日中の集中力低下・過剰な眠気・頭痛などの随伴症状を伴う場合は、受診の目安となります。

最終的に睡眠時無呼吸症候群の診断を行うためには、「PSG検査(終夜睡眠ポリグラフ検査)」を受ける必要があります。これは、脳波、心電図、呼吸、眼球運動などを一晩中測定する検査であり、AHI(無呼吸低呼吸指数)を測定することで睡眠時無呼吸症候群の診断や重症度分類を行います。

重症度分類に応じて最終的な治療方針も決定されるため、睡眠時無呼吸症候群の診断や治療方針の決定には必要不可欠です。

【まとめ】痩せてるのにいびきがひどいのはなぜ?

この記事では、痩せてるのにいびきがひどい場合の原因や実体験・対処法について詳しく解説しました。

いびきは肥満によって生じやすい症状であることに間違いはありませんが、他にも骨格的な問題や耳鼻科疾患・睡眠時無呼吸症候群の発症など、さまざまな要因で生じうるため、痩せていてもイビキをかく可能性があります。

生活習慣の是正や就寝環境の改善など、セルフケアで改善可能な場合もあれば、鼻中隔湾曲症の発症や扁桃肥大など、セルフケアでの改善が困難な場合もあるため、専門医を受診してしっかり原因を把握し、その原因に見合った適切な治療を受けることが肝要です。

一方で、自身の症状の程度がどれくらい危険か判断できず、医療機関への受診に躊躇してしまう方も少なくないでしょう。

下記の記事では、いびきの危険度をセルフチェックする方法について詳しく解説しているため、ぜひこれを機にまずはセルフチェックしてみましょう。

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